圧巻でした。
🖼 「日中国交正常化50周年記念 兵馬俑と古代中国 ー秦漢文明の遺産ー」 会場: 上野の森美術館 会期: 2022.11.22〜2023.02.05 . ⚪︎高校・専門・大学生 ¥1,300 . 孔子の言葉「生き生きとした俑を作ったことで殉死が始まった。」に従い、モデルに似せた俑を作ることが忌避されていた中で、何故、秦の始皇帝は等身大でリアルな俑を製造させたのか。また、漢時代には春秋戦国時代と同様に小さくデフォルメした姿の俑が製造されたのか。春秋戦国時代、秦時代、漢時代にかけての俑の変遷に着眼点が置かれた展覧会です。 一級文物である始皇帝の兵馬俑(pic. 4-7)が並べられた1階の展示室は圧巻でした。情報が解禁されてすぐから必ず観たいと思っていた展覧会でしたので、無事訪れることができ、よかったと強く感じました。 . 興味深かったのは、俑が複数の部品で作られること。例えば《彩色騎馬俑(写真撮影NG)》は、人間の上半身+人間の下半身と馬の大部分+馬の尻尾と3つのパーツに別れていました。 . 帰路、《青銅戟》(pic. 8)の銘文の詳しい意味が気になり検索をしたところ、世界日報の中国語の記事「先秦技術工匠(先秦の技術職人)」を見つけました。後半が秦の兵馬俑に関する内容です。折角なので自作の下手な日本語訳と共に残しておきます。 . 最後にこの時代によく使われていた金属「青銅(Bronz)」について。 銅(Copper)はそのままでは道具として使いにくいほどに柔らかいので、硬さを向上させる目的で様々な金属と混ぜて用います。青銅は銅(Cu)に錫(Sn)を混ぜ合わせて作る合金。鉄が普及するまで、一つの時代を築きました。 金属色は錫の割合で変化し、赤茶色や黄金色や白銀色と様々な色がありますが、時間が経つと緑青色のサビ(いわゆる「緑青(ろくしょう)」)に覆われて青緑色になります。このサビは保護皮膜となり銅本体を守ります。 . pic. 4: 2号銅車馬【複製品】 pic. 5: 戦服将軍俑 pic. 6: (左)跪射武士俑, (右)立射武士俑 pic. 7: 戦車馬 pic. 8: 青銅戟 pic. 9: (上)青銅鏃, (下)青銅長剣 pic. 10: 里耶秦簡 . [Appendix] 在西安秦兵馬俑一號坑同一考古發掘探方裡,出土了兩隻銅戈,考古出土編號相連。 (西安の秦兵馬俑第1坑の同じ考古学的発掘現場において、2本の銅戈が出土し、考古出土番号が隣り合っている。) 一隻銘文是:「三年相邦呂不韋造 寺工讋丞義工窵。」 (1本の銘文には「三年相邦呂不韋造 寺工讋丞義工窵。」 ) 另一隻銘文為:「四年相邦呂不韋造寺 工售丞我工可戟。」 (もう1本の銘文には「四年相邦呂不韋造寺 工售丞我工可戟。」) 考古學家們根據銘文,知道了這兩隻戈是秦王政三年和四年分別製造的,並且銘文記載了秦國兵器生產的三級責任制。 (考古学者らはこれらの 2 本の戈がそれぞれ秦王政3 年と 4 年に作られたことを知り、また、碑文には秦の武器製造の 3 段階の責任体系が記録されていた。) 相邦呂不韋是主持秦國兵器生產的負責官員,銘刻在兵器上,表示其監製兵器生產並對國家總負責。 (相邦と呂不韋は秦国の武器生産の責任者であり、武器に刻印されているとおり、彼が武器の生産を監督し、国に対して責任があることを示している。) 由相邦領銜的兵器,也表明是由秦國的國家中央兵工廠生產的。 (故に相邦の署名がある武器は、秦国の国家中央工廠で製造されたものであることも示していた。 ) 寺工,是具體製造該銅戈的工署(或工廠)的工官職銜,官員叫讋。 (寺工は戈を特別に製造した技術部門 (または工場) の正式な肩書で、この役人は讋と呼ばれる。) 丞,是工廠裡製戈的分管負責人,名叫義。 (丞は工場で武器を作る責任者で、彼の名前は義である。) 工,是具體製造該銅戈的工匠,名叫窵。 (工は戈を特別に作った職人で、彼の名前は窵である。) 四年戈的丞叫「我」,四年戈的工匠為兩人「可」和「戟」。(4年に製造された戈の丞を「我」と呼び、4年に製造された戈の職人2人は「可」と「戟」と呼ばれる。) 秦以後獨尊儒術,技術工匠的社會地位變得低下。 (秦王朝以降、儒教だけが尊重され、熟練した職人の社会的地位は低くなった。) 所謂的「士農工商」序列,把工匠的地位排在農夫之後。 (いわゆる「士農工商」の序列において、職人は農民の下に位置する。) 其實,生產工具的進步是生產力進步的具體直接因素,然而促成工具進步的人,被傅統社會看低了。 (実際、生産道具の進歩は生産力向上の具体的な直接要因であったが、道具の進歩を促進した人々は伝統的な社会から見下されていた。) . 出典: 「先秦技術工匠」.世界日報. 2015年11月15日, PressReader. https://www.pressreader.com/usa/world-journal-new-york/20151115/283012578633535, (最終参照2023.02.03)
