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知っているようで知らない!「富岡製糸場」が世界遺産に登録された5つの理由

群馬県の「富岡製糸場(とみおかせいしじょう、Tomioka Silk Mill and Related Sites)」が2014年6月21日に日本で18件目の世界遺産に登録されました。登録名は「富岡製糸場と絹産業遺産群」。富岡市にある製糸場だけでなく、周辺に点在する養蚕(ようさん)関連の文化財も含めての登録となりました。今回はそんな富岡製糸場が世界遺産に登録された理由について、諸説はありますが、代表的なものをピックアップして5つご紹介します。(※掲載されている情報は記事更新時点のものです。必ず事前に最新情報をお調べ下さい。)

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このまとめ記事の目次

日本の近代化を支えた「富岡製糸場」

富岡製糸場は群馬県の富岡市にある生糸の生産工場です。1872年(明治5年)に完成したこの工場は、日本初の本格的な機械式の製糸工場で、当時の製糸工場としては世界的にも最大の規模を誇っていました。ここは、日本の近代化だけでなく世界の絹産業の発展にも大きく貢献しました。

富岡製糸場の創業の目的とは?

江戸時代の終わりに日本の鎖国政策は終止符が打たれました。しかし、鎖国後の日本の主要な輸出物である生糸の質の悪さが当時の欧米先進諸国との間でトラブルとなっていました。その後の明治政府は富国強兵を国策としていましたが、富国強兵を推進するにはお金がかかるため、外貨の調達を目指すこととなりました。
そんな外資調達のために明治政府が目を付けたのが「生糸」でした。日本の輸出品である生糸の質を上げ、諸外国からの需要が高まれば外資獲得に成功できるかもしれない、と。そこで、政府は当時高い技術力を誇る西洋諸国の生糸生産技術を国をあげて習得するために、国営の模範工場をここ富岡に作ったのです。では、ここから富岡製糸場が世界遺産に登録された理由5つをみていきましょう。

1. 世界的な絹産業の発展に貢献したから

まず挙げられる理由の1つが、世界的な絹産業の発展に貢献したから。ここは、当時の世界では最大規模の操糸工場(長さ140.4m、幅12.3m、高さ12.1m。)で、格段の生産能力を持っていたのです。
当初は、西欧諸国の製糸技術を日本に移転するために創業されたここも、時と共に最先端の製糸技術が集まるようになりました。ここで作られた品質の高い生糸や最先端の養蚕技術は海外に広まり、世界規模で絹産業の発展を促したといわれています。

2. 建築物の保存状態が世界的にも良いから

理由の2つめとしてあげられるのが、建築物の保存状態が世界的にも良いから。富岡製糸場以外にも明治政府が国の管轄でつくった工場は他にもありますが、富岡製糸場のほど完全な状態で保存されているのは他にありません。世界的にみても19世紀後半の工場は非常に珍しいといわれています。
とはいってもやはり、この工場の建物は今から100年以上も昔に建てられたものなので、現在では一部老朽化(ろうきゅうか)のため、非公開となっている部分もあります。しかし、公開されている部分からもその重厚な歴史を感じることができますね。

3. 女性にとって良い労働環境であったから

理由の3つめとして挙げられるのは、当時世界的にも珍しかった、女性にとって良い労働環境であったから。今現在では、1日の労働時間は8時間まで、1週間は40時間まで、また週7日中2日が休日というワーキングスタイルは当然とされます。しかし、明治時代はそれが当然ではありませんでした。
ここでは当時の日本としてはとても先進的な労務管理制度がフランスの労務管理から導入されたのです。それは、七曜制の導入と日曜休み、1日8時間労働、年末年始と夏期の10日ずつの休暇などといったもの。さらに、工場で労働していた約400人の女性工員たちの食費や寮費なども工場負担だったとされ、女性に対してかなり好待遇であったといわれています。

4. 日本の近代化を「見える化」する工場だから

※写真はイメージです

理由の4つめとしてあげられるのは、日本の近代化を「見える化」する工場だから。「近代化」はかなり概念的な言葉とされていますが、その一つの側面としては「大量生産、大量消費」がよく挙げられます。
この富岡製糸場が西欧の技術を導入したことを皮切りに、日本の生産スタイルは伝統的な手作業から近代的な機械作業へと変化し、日本も大量生産大量消費の近代へと突入した側面があります。概念的な近代化を象徴となった、すなわち概念的な近代化を「見える化」した、そんな富岡製糸場の功績が認められたとされているのです。

5. 建物が日本独特の建築様式によるものだから

理由の5つめは、建物が日本独特の建築様式によるものだから。建物の縦を支える柱と、建物の横を支える梁(はり)は日本の伝統的な建築様式です。富岡製糸場は、この日本の伝統的な建築様式をベースに、壁にレンガを使用したことで、日本ならではの和洋折衷の建物となったのです。
富岡製糸場内の建物7棟は和洋折衷のスタイルで建てられており、そのうち特に大きな建物3棟は国宝にも指定されています。外から見るとレンガ造りの洋館ですが、中に入ってみると木が多く使用されていることに気づくことができます。その様子を見れば、建築についての知識があまりなくてもきっとこの建築様式の説明にも納得できるはずですよ。

さあ、富岡製糸場へ行こう

いかがでしたか?今回はそんな富岡製糸場が世界遺産に登録された5つの理由についてご紹介しました。世界遺産に登録される理由については、より複雑で多くの理由があるかと考えられます。富岡製糸場についてもっと知りたくなったあなたは、ぜひ実際に足を運んで考察をしてみてくださいね!

詳細情報

富岡製糸場 (Tomioka Silk Mill)

群馬県富岡市富岡1-1

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