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北関東有数の絶景の宝庫!沼田市河岸段丘の街を歩く

はるか十万年の歳月が作り出した大自然の巨大アート、河岸段丘(かがんだんきゅう)。利根郡沼田の河岸段丘はその美しい地形から「日本一」と称され、教科書や地図帳に掲載されています。 今回は、美しい自然の造形物にちりばめられた沼田の歴史と文化をご紹介します!

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このまとめ記事の目次

地球の営みの神秘「河岸段丘」

階段のような地形、河岸段丘(かがんだんきゅう)は、地球の静かな呼吸によって作られました。

大地に水が流れ、川となり、その川の浸食によって深い谷が生まれる。川から流れる土砂は堆積し平地が生まれ、また水の流れに谷が生まれ、そして、長い年月を経て谷に削り取られずに残った平坦な台地と急な崖が交互に現れる。階段のような地形、河岸段丘です。

河岸段丘の中でも、その広さ高さが大規模で、なおかつ形もはっきりしているため、日本一美しい河岸段丘といわれているのが群馬県沼田市。

群馬県沼田市白沢町平出1297

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坂の街、沼田

河岸段丘の街歩きのスタートラインは、駅前から東に向かって真っすぐに伸びる「滝坂」。
上り始めは緩やかだった坂道も右へ大きくカーブするとその勾配は少しずつきつくなり、いよいよ河岸段丘の地に足を踏み入れたという感じがします。
上の市街地に行くには通らなければならない滝坂ですが、道の途中からは旧滝坂で、歩く人専用の屋根付きのアーケード式階段が設けられています。
この階段を上り切ると、待ち構えるのはまるで天にでも上るような急勾配な道!想像をはるかに超えた河岸段丘の凄さを見せつけられているかのよう。
前かがみの重心が崩れると転げ落ちてしまいそうな道も、アスレチックのようで何だか楽しい。一歩一歩、地面を踏みしめながら河岸段丘を体感できます。

●緩やかに流れる片品川が織りなす美しい景観(片品川橋)

振り返ると眼下の街並み、真向いの山々の緑は眩しく、上りきると何とも言えない爽快感を味わえます!

真田の里は天空の城下町

生活空間に河岸段丘が発達する沼田は、「滝坂」「榛名坂」など、街のいたるところが坂だらけ。そんな河岸段丘の地だからこそ紡がれてきた歴史がありました。話は武士の時代に遡ります。

●沼田城跡公園前の観光案内所に展示されている沼田城のジオラマ

崖上の台地に城が登場するのは天文元年(1532年)、戦国時代のこと。この地方の有力者であった沼田氏によって城は築かれましたが、この城は関東に至る要衝の地にあることから、戦国大名によりめまぐるしい争奪が繰り広げられることになります。

●城の名残をとどめる西櫓台の石垣

そして、戦乱の時代を経て真田氏の居城となったのが天正十八年(1590年)。
沼田領二万七千石の初代沼田城主となったのが戦国武将、真田昌幸の嫡男、真田信之でした。

信之は城郭の改修を手掛け、五層の天守閣や櫓、門などを建造。五層の天守閣を持つ城は、関東以北では江戸城とこの沼田城だけと言われています。
更には長い戦乱で疲弊していた領内の復興に努め、年貢の減免や水利の開削、田畑の開拓や町割りの改修を行い、城下町沼田の基盤を造り、沼田に安泰の世をもたらしたのです。

歴史の香りが漂う沼田城址公園

天和二年(1682年)、幕府の命で城が取り壊されるまで、天下の名城としてその威容を誇った沼田城。今は沼田城址公園として姿を変えていますが、苔むした櫓台の石垣や堀跡には四百年の歴史の痕跡が静かに刻まれています。

領内の安泰を祈願して鋳造され、城下に時を告げていた城鐘。当時の城鐘は中央公民館に保存、展示されていますが、園内をめぐる小道の先には鐘楼が復元されています。
絶景ポイントは高台の城址の外れ。ここまで来ると、一気に視界が開け、谷川連峰や武尊山の雄大な山々が稜線を描き、その手前には河岸段丘の平地が伸びやかに広がります。

眼下に広がる美しい景色を眺めていると、ここが、城としての絶対条件を備えた自然の要害であったことも一目瞭然。
武将たちの築城にあたっての思索や、国盗り合戦の思惑を想像すると、河岸段丘の底から吹き上げてくる風の声が何やら武具の揺れる音のように聞こえてきます。

群馬県沼田市西倉内町594

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沼田の道を楽しむ穏やかな時間

●沼田市街地の中心にある須賀神社の大ケヤキは天然記念物

メインストリートを歩くと、あくせくしないのんびりとした空気が流れています。
一筋入った通りに古い須賀神社が鎮座しているのですが、この細い道は城下町の町割りの名残なのだとか。
社殿の裏にたつ樹齢四百年といわれる大ケヤキの悠然とした姿にも、この地の歴史の深さをしみじみと感じることができます。

群馬県沼田市中町1141

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幾重にも交差する生活感のある脇道も、急な坂道も、緩やかな坂道もそれぞれに味がある沼田。
ただただ道を歩きながら、歴史の道のりを、そして、ゆったりとした穏やかな時間の経過をぜひお楽しみください。

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