ドイツの温泉って?
フリードリヒ浴場(バーデンバーデン)
ドイツは、日本やアイスランド、ハンガリーと並ぶ温泉大国の一つ。天然温泉が噴出する温泉地では、クアハウスと呼ばれる保養所を中心に、湯治・保養文化が古くから根付いています。ドイツの温泉地では、入浴だけでなく、独自のサウナや飲泉の文化を通して、温泉を満喫することができます。
そんなドイツの温泉文化は、日本の温泉文化と異なる点が多くあります。例えば、大半の設備は男女共用で、特にサウナゾーンでは一糸まとわず入浴することになります。また、サウナで汗を床に落とすと不衛生なので、床にバスタオルを敷いて、足先を含めた体全体をバスタオル上に収めなければなりません。また、入館時にもらえるチップを用いて、館内で飲み物を注文することもできます。そんなドイツの温泉文化のルールをマスターしたら、ぜひドイツの温泉に出かけて、文化の違いを体感しましょう!
1. ドイツ随一の歴史ある温泉で、ローマ式浴場を楽しむ
Kaiser-Friedrich-Therme (カイザーフリードリヒ温泉) / ヴィースバーデン(フランクフルト郊外)
フランクフルト中央駅やフランクフルト空港から電車で約30分のところにある、ヘッセン州の州都でもある文化都市・保養都市が「ヴィースバーデン」。クアハウスや州立劇場、新市庁舎やマルクト教会といった息を飲むような建築と合わせて街の象徴なのが、「カイザー・フリードリヒ温泉」。中心街を歩きながら硫黄の匂いがただよってきたら、温泉はすぐそこです。
そんなカイザー・フリードリヒ温泉は、1910年代にアール・ヌーヴォー様式で建てられた施設。美しい装飾が施された、館内中央の天然温泉プールをはじめとして、古代ローマやロシア、フィンランドのスタイルを取り入れたサウナがあるこの温泉では、この上ない贅沢を味わえます。入浴が終わったら、旧市街の数か所にある飲泉所で、ドイツの温泉文化の一つである飲泉を楽しんでみてくださいね。
詳細情報
2. 日本スタイルを取り入れた、保養地の天然温泉を楽しむ
Taunus Therme (タウヌス温泉)/ バート・ホンブルク(フランクフルト郊外)
フランクフルト中央駅から電車で約20分のベッドタウンでもある保養都市が、「バート・ホンブルク」。フランクフルトに勤める銀行マンの住宅地として人気のこの街は、おしゃれで余裕のある雰囲気が流れています。また、戦時中に空襲されなかったため今でも残っている、街の建築の美しさも必見です。そんな街の中心地のすぐ近く、クアパークの一角にあるのがタウヌス温泉。
そんなタウヌス温泉は熱めなお湯の日本スタイルを取り入れていて、庭園や露天ゾーンでは、日本の雰囲気を楽しむこともできます。館内施設は充実していて、フィンランドスタイルのサウナはもちろん、ドリンクカウンターやレストランまで揃っています。ドイツのサウナでは定番の、蒸気で汗を一気に噴出させる「アウフグース」にもトライしてみてくださいね。
詳細情報
3. ローマ時代から続く高級保養地で、独自のローマ式入浴法を体験
Friedrichsbad (フリードリヒ浴場)/ バーデン・バーデン
フランクフルトから特急ICEで約1時間半のところにあるのが、「バーデン・バーデン」。街の名前の由来が、ドイツ語で温泉や浴場を意味するバーデンという言葉から来ていることからわかるように、この街はドイツで最も有名な温泉保養地です。街並みの美しさとゆったりとした雰囲気は最高で、記事執筆者の私が個人的に最も好きな街の一つです。そんな「バーデン・バーデン」の温泉といえば、隣り合って位置する「フリードリヒ浴場」と「カラカラ浴場」。
「フリードリヒ浴場」は、1870年代に開館した、ドイツの中でも最も歴史のある温泉の一つ。いちばんの特徴は、ローマ式の入浴法が取り入れられていて、1番から16番までの入浴順が指定されていること。これに従って天然温泉やローマ・アイルランド方式のサウナを入浴すると、汗は出ないけれど身体がジワジワと熱くなるという、他の温泉ではできない不思議な体験ができます。