城下町、結城
結城は鬼怒川水運で商業都市として発展していった
悠々と流れる鬼怒川・田川のほとり、東に筑波山を望む結城台地は、豊かな自然に恵まれ、古代より栄えた地でした。
長い歴史を歩んできた紬の文化
やがてこの絹織物は常陸紬(ひたちつむぎ)と呼ばれるようになり、鎌倉時代には見た目が質実で丈夫なことから武士にも好まれ、産業として結城の地に根をおろしていきました。
そして、江戸時代になって「結城紬(ゆうきつむぎ)」と呼ばれるようになったといわれています。
昭和31年には国重要無形文化財、昭和52年には伝統的工芸品に指定され、平成22年にはユネスコ無形文化遺産に登録されました。
日本最古の織物の技法は、今もこの地で大切に守り伝えられています。
優しくふわりとした真綿から生まれる結城紬
精緻な紬を織りだす、受継がれた伝統の技
その原料となるのは蚕が吐いた糸。生糸の場合は、繭から糸を引き出しますが、紬を織る糸は、繭を綿状の真綿(まわた)にしてから、手でつむぎ出して糸にするのが特徴です。
繭から反物になるまで40数工程を経て、何人もの専門の職人たちの手がかけられていきます。
技の結晶である一反の結城紬が織りあがるには無地でも約一か月、亀甲柄などの精緻な絣では約1年以上もかかるものもあるのだそう!
結城紬は親子三代、 その良さは年を経るごとに増していく。
実際に150年ほど前の紬の着物を見ると、柔らかな手触りといい上品な光沢といい、少しも古びていないのが不思議なほど。手の込んだ柄が醸し出す味わいは渋く美しく、神々しくさえあります。
三代で楽しむ結城紬、といわれるのは正にこのことだと実感させられます。
「きものday結城」で街歩き
きものファッションショーやトークショー、抽選会、人力車乗車会、各ワークショップなど、イベントが盛りだくさん。きものを着ていると受けられる特典も!
結城紬きもののレンタルや、着付け等も行っていました。
ボランティアガイドをつけて名所を回ったり、マップ片手に気ままに散策したり、様々な楽しみ方ができますので、次回の開催もぜひチェックしてみてください。
結城紬の私設資料館
結城紬ミュージアム「つむぎの館」
本場結城紬染織資料館紬「手緒里」をはじめ結城紬の展示場、紬小物やショールのショップがあり、織り体験もできます。
(貸切になる場合があるため事前に問合せするのがおすすめです。)
移築された築150年の古民家内は、一歩を踏み入れると、まるで時間が巻き戻ったような感覚にもなる落ち着いた空間。
珈琲・お抹茶をお供に、展示している本場結城紬を眺めながら、ゆったりとした時間を過ごすことができます。
2020年現在はイベント時のみ営業(不定休)
※HPのお知らせにて確認できます
開館時間
平日 10:00~16:00(入館は15:30まで)
土・日・祝 10:00~17:00(入館は16:30まで)
入場無料(資料館入館料 有料/織り体験有料、要予約)
休館日 火曜日・水曜日・年末年始(HPのお知らせ欄に記載あり)
駐車場:無料 20台収容可、大型バス可
〒307-0001 茨城県結城市結城12-2
TEL:0296-33-5633 FAX:0296-33-3116
紬の里
自分だけのオリジナルの色合いを考えるもの楽しい時間。
初めてでも、コースター(2枚1組)を30分から織る事ができます。
コースターの他にも、テーブルセンター・ショール・帯等も体験可能です!(要予約)
このほか、紬のデザインや質感を活かしたオリジナル商品が数多くあり、結城紬の販売・展示も行っています。
記念品・贈り物など別注品もオーダー可能とのこと。
営業時間 平日 9:30~17:00 土日 10:00~16:30
定 休 日 第一・第三日曜日 祝日 お盆と年末年始
(その他臨時休業などはブログでお知らせしています)
〒307-0001 茨城県結城市結城2515
TEL:0296-32-8002 FAX:0296-33-4125
そのほかおすすめスポット
住所:〒307-0001 結城市結城116
TEL:0296-32-2121
営業時間:平日 9:30~17:00 土・祝 10:00~17:00
定休日:日曜
住所:〒307-0008 結城市下り松6-6-3
TEL:0296-32-6088
営業時間:平日 9:30~17:30 土・日・祝祭日 9:00~18:00
定休日:無休,年末年始
住所:〒307-0051 結城市国府町1-1-1
TEL:0296-48-8155
営業時間:9:30~17:00
定休日:月曜(祝日の場合は翌日)・年末年始
古くから引き継がれる伝統の技を後世へ
かつては3万反の生産量を誇っていましたが、現在では1500反弱、20分の1ほどに減少しているのだそう。
後継者不足とあわせ、生産に欠かせない糸の不足も深刻化してきており、郵送などで糸をやりとりする「糸つむぎ」の後継者育成などもスタート。
結城紬の機織りに携われる方を対象とした「結城紬後継者育成研修」も実施予定とのこと。
年を経るごとに、着こなせば着こなすほどに風合いを増す結城紬。だからこそ、なおさら未来へ向けてその存在が大きくなっていってほしい、と願わずにはいられません。