北海道で日本の先住民族について学ぶ旅を。アイヌの歴史と文化に触れる7つの場所

北海道にははるか大昔から住んでいる先住民族・アイヌがいました。アイヌ民族に関する新たな法律が2019年に策定されましたが、意外とその事実について知っている方は少ないのでは?今回は実際にアイヌゆかりの地を訪れた筆者が、北海道内にあるアイヌの歴史と文化を実際に学べるスポットを7つご紹介します。(なお情報は記事掲載時点のものです。詳細は公式サイトなどでも事前確認することをおすすめします。)

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このまとめ記事の目次

アイヌ民族とは?

「アイヌ」とはアイヌ語で「人間」という意味。アイヌ民族ははるか昔から「人間の住む静かな大地」という意味のある「アィヌモシㇼ」に居住していた先住民族です。明治時代頃からアイヌモシㇼに和人(日本人のことを指します)が日本政府主導で入植してきました。そして、「アイヌ民族を保護する」という建前のもとで制定された法律により、アイヌ民族は日本人に『同化』されていきました。
そのような政策があったため、現在ではアイヌ民族の人口はもちろん、文字を持たないアイヌ語話者や民芸品を作る職人もどんどん減少傾向にあります。しかし、アイヌ民族が生きた歴史を守ろうと奮闘する団体がいくつもあり、現在にも伝えられているアイヌの文化や歴史も見ることができるんです。
アイヌ民族は統一的な国家を持たなかったので、地方によってその文化は大きな違いがあるので、複数の地域を訪れるのがおすすめです。北海道観光の際にアイヌ民族ゆかりの地をめぐるならば、彼らの大切な地を「ただの観光地」ではなく、ぜひアイヌ民族に尊厳を持地ながら巡ってくださいね。早速ですが、アイヌに関する博物館やアイヌゆかりの地を見ていきましょう。

1. 阿寒湖アイヌコタン / 釧路市

まずはじめにご紹介するのは、「阿寒湖アイヌコタン」。「コタン」とはアイヌ語で「集落」という意味で、古くから1つのコミュニティとしてアイヌ民族が集住している場所のことをさしています。現在、この阿寒湖アイヌコタンは民芸品ショップやアイヌ古式舞踊などを見られるシアターなどが集まっています。
中でも必ず訪れて欲しい場所は「アイヌ生活記念館 ポンチセ」。「小さな家」を意味する「ポンチセ」はアイヌ民家を再現した建物で、本州などに伝わる古来の民家とは異なるポイントも多いんですよ。

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2. アイヌ文化の森・伝承のコタン / 旭川市

※写真はイメージです

続いてご紹介するのは、「アイヌ文化の森・伝承のコタン」。タイトル表記は旭川市ですが、実際の住所は旭川市すぐ北部に位置する鷹栖町(たかすちょう)内にあるんです。広大な自然公園の中に作られたアイヌのコタンには、再現されたチセ(民家)やプー(食料庫)をはじめとする様々な施設があります。
当時のアイヌの人々が漁で使っていた船や、服、写真などの展示物も揃っており、アイヌの人々の生活が手に取るように分かってきます。美しい装飾品をたくさん生み出しているアイヌの人たちの感性は、こういった自然との共存で生まれたものだということがよく分かりますね。

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アイヌ文化の森 伝承のコタン

北海道上川郡鷹栖町近文9線西4

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3. 萱野茂二風谷アイヌ資料館 / 平取町

続いてご紹介するのは、平取町(びらとり)にある「萱野茂二風谷アイヌ資料館(かやのしげるにぶたにあいぬしりょうかん)」。ここはかつて二風谷コタンがあった場所で、現在もアイヌ文化発信の拠点として知られています。この資料館では、アイヌ民族として日本で初めて国会議員となった萱野茂さんが集めたアイヌの民具を中心に展示されています。
個人資料館なのでこぢんまりとしていますが、その中に展示される民具の数には圧倒されます。アイヌが身にまとう伝統衣装はコタンの場所によって模様が少しずつ異なりますが、ここではそんなコタンごとの伝統衣装の違いも知ることができます。またアイヌのみならず、世界中の先住民族・少数民族の民具のコレクションもあり、見ていてとても楽しいですよ。

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4. 平取町立二風谷アイヌ文化博物館 / 平取町

続いてご紹介するのも、平取町(びらとり)にある「平取町立二風谷アイヌ文化博物館(びらとりちょうりつにぶたにあいぬぶんかはくぶつかん)」。ここは3選目にご紹介した茅野茂二風谷アイヌ資料館のすぐそばにある施設で、二風谷を訪れた際にはあわせて行きたいスポットなんです。
館内は4つの展示ブースに分かれており、アイヌの暮らしと文化について目と耳で学ぶことができます。ユカㇻと呼ばれる「英雄叙事詩」のビデオを見ることができ、臨場感はたっぷりです。博物館のすぐ隣にはアイヌコタンを再現した屋外スペースもあるので、ぜひアイヌコタンを歩いてみてくださいね。

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5. 札幌市アイヌ文化交流センター サッポロピリカコタン / 札幌市

続いてご紹介するのは、札幌市にある「札幌市アイヌ文化交流センター サッポロピリカコタン」。「サッポロピリカコタン」とはアイヌ語で「サッポロの美しい村」という意味。ここでは札幌に居住するアイヌの方々が作った民芸品約300点が展示されており、実際に手に取って眺めることもできる場所なんです。
室内展示の他、屋外展示ではイユタㇷ゚と呼ばれる精米用具や、アイヌの生活とも深くつながりを持っていた水を感じられる池などの展示や、アイヌが交易する際に使っていた大型のいたとじ舟であるイタオマチㇷ゚の展示がなされており、アイヌの生活のさまざまシーンを感じることができますよ。

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6. 北海道博物館 / 札幌市

続いてご紹介するのは、札幌市にある「北海道博物館」。札幌駅から電車と徒歩で約40分でアクセスできるここは、アイヌの文化に触れるミュージアムとしてはとてもアクセスがよく、短い北海道滞在でも行きやすい場所です。ここでは5つのテーマに分かれて展示がなされていますが、その内の第2テーマがアイヌにまつわる展示なんです。
第2テーマの中でも「現在を知る」、「伝統を学ぶ」、「ことばを聴く」、「歩みをたどる」の4ブースに分けられ、多角的にアイヌについて学ぶことができます。特に、サハリンのアイヌから伝わった楽器「トンコリ」を実際に体験できるコーナーがあり、ここでしかできない貴重な体験ができること間違いなしですよ。

詳細情報

北海道博物館

北海道札幌市厚別区厚別町小野幌53-2

3.39 317

7. 北海道大学 / 札幌市

最後にご紹介するのは、札幌市の「北海道大学」。街の中心部にあるここは、学生の学び舎のみならず、地域の憩いの場や観光客がよく立ち寄るスポットとしても知られています。しかし、そんな北海道大学にもアイヌゆかりの地の跡があることをご存知ですか?実はキャンパス内に流れる川の周辺はかつて「サクㇱコトニ・コタン」というコタンがあった場所。
そのコタンは、今はただ川が流れているのみの場所となってしまいましたが、そこにはアイヌが住んでいたのです。また、医学部校舎近くの駐車場の奥には研究に使われたアイヌの遺骨を納める納骨堂もあり、その立地や建物の様子からもアイヌが迫害された歴史をひしひしと感じることができます。北海道大学に足を運ぶ際にぜひこの2点について、思いをはせながらキャンパス内を歩いてみてくださいね。

詳細情報

北海道大学

北海道札幌市北区北8条西5

3.39 21256

アイヌと和人の関係を改めて考えてみては。

いかがでしたか。今回は実際にアイヌゆかりの地を訪れた筆者が、北海道内にあるアイヌの歴史と文化を実際に学べるスポットを7つご紹介しました。北海道でアイヌのゆかりの地を巡る前に、ぜひご自身でアイヌの歴史や文化について予習しておくとなお一層楽しむことができますよ。(なお、記事内でカタカナ表記をしたアイヌ語ですが、日本語表記をする場合には一般的な日本語では使用しない文字が含まれていることがあります。)

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ライター紹介このまとめ記事を書いた人

Maworo小さな旅行が大好きです。子供を連れて行く旅行から本格的な旅行まで、身近な旅行の楽しさを伝えられたらなと思っています。

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