ユネスコ無形文化遺産登録“烏山の山あげ行事”

例年7月に開催され、450年以上の歴史を誇る、全国でも類を見ない絢爛豪華な野外歌舞伎舞踊「山あげ祭」。「烏山の山あげ行事」(那須烏山市)など、18府県33件の祭りで構成する「山・鉾(ほこ)・屋台行事」のユネスコ無形文化遺産にも登録されました。※掲載されている情報は2020年9月時点のものです。必ず事前にご確認下さい。

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このまとめ記事の目次

山あげ祭

毎年10万人が訪れる伝統行事

「山あげ祭」は1560年から450年以上の伝統を誇り、全国でも類を見ない絢爛豪華な野外歌舞伎舞踊。
例年7月の第4土曜日を含む金曜日、土曜日、日曜日の3日間に渡って開催されます。

山あげの「山」とは、竹で組んだ枠に烏山和紙を貼り、その上に山水を描いた「はりか山」のこと。その山を上げることから「山あげ祭」と呼ばれるようになりました。

●露払いとして、邪気払いの金棒曳きが屋台の先導をします。

祭りは6町が輪番で行い、当番町の若衆が主体となって進められるのですが、何といっても圧巻なのは、拍子木の合図で若衆が一丸となって高さ10mを越す巨大な山を上げる様子。
大山、中山、前山や館、橋、波などの大掛かりな舞台背景を手際よく組み立て、舞台の進行に伴い山の景色を次々と変化させます。
見せ場は絢爛豪華な野外歌舞伎舞踊。常磐津(ときわづ)の三味線に合わせて披露される舞は美しくもあり、妖艶でもあり、勇ましくもあり、音色とともにぐんぐんと劇中に引き込まれていきます。

踊りが終わると、直ちに片付け作業が始まります。この後始末が早ければ早いほど、町内若衆の一致団結を示すものとして自慢でもあるのだそう。
次の上演場所に移動する若衆たちの一糸乱れぬすばやい動きは見事で、地車がカラカラと豪快な音を立てて動き、道を曲がるときは凄まじい迫力です。
歌舞伎舞踊だけでなく、この一連の若衆たちの動きにも魅了されてしまいます。

祭りの「山」に込められた人々の願い

●独特な色つやと強靭さで、うちわや様々な工芸品にも利用される烏山和紙。

多くの人が神の恵みを受けられるように「山」を町内各所に移動させようと考え出されたのが、軽量で簡単に移動できる和紙で作った張子の山でした。これが受け継がれてきた「山あげ」の原型です。

古来、日本人は、神は自然の山に天下ると信じていましたが、後に人間の作った山にも神は宿ると考えられるようになり、烏山でも作り始めたといわれます。
当時貴重な和紙をふんだんに使えたのは、烏山が日本有数の和紙の産地だったため。
烏山和紙は奈良時代に作られ始め、当時、良質な写経料紙としてその生産量は全国一を誇っていました。

●和紙の里で行われている伝統の紙漉き。

その伝統は現在受け継がれ、厚紙の至宝ともいわれる程村紙(ほどむらし)は烏山和紙を代表する和紙で、現在は国の無形文化財に選択されています。
烏山和紙を貼った山を背景に、総勢150人もの若衆や踊り子たちが街頭で繰り広げる野外劇、町中総出で盛り上げられる「山あげ祭」。その背景には、多くの人の手が作り上げ、守り続ける文化があります。

烏山駅

那須烏山市南2丁目

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