石像がズラリ!「スフィンクス参道」豊穣もたらすナイルの祭り

スフィンクス参道(Sphinx Alley)は古代エジプトの都テーベがあったとされるエジプト南部のルクソール市を代表する古代宗教遺跡の一部です。古い記録から古代エジプトの太陽神・アメン信仰の総本山ともいえるカルナック神殿と、その中核であるアメン大神殿の付属神殿・ルクソール神殿をつなぐ水路であったと考えられており、当時は1,350体のスフィンクスが建てられ、その長さは2,700メートルにも及んだといわれます。現在も発掘修復作業が続けられているミステリアスな古代遺跡・スフィンクス参道をご紹介します。

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このまとめ記事の目次

スフィンクス参道とは

スフィンクス参道(Sphinx Alley)は、ナイル川の東岸・南部ルクソールに所在するエジプト最大級の古代遺跡・カルナック神殿とルクソール神殿の間にある参道で、「古代都市テーベとその墓地遺跡」としてユニセフの世界文化遺産にも登録されている歴史スポットです。
紀元前1479年頃 から紀元前1458年頃まで在位した古代エジプト初の女性ファラオ、第18王朝第5代ハトシェプスト(Hatshepsut)による造営が最初といわれています。年に一度ナイルの水量が増える時期の神事「オペト際」で船を浮かべたとされる水路の遺構で、現在のように1,300基を超えるスフィンクスは後世に増築されたものです。

巨大なアメン信仰の拠点「カルナック神殿」

空気の神アメンを祀る東西540m、南北600mの神域をもつカルナック神殿は、神殿、祠堂、塔門などから構成される複合遺跡で、世界最大の神殿建築ともいわれます。歴代ファラオの寄進によって長い時間をかけて増改築され徐々に巨大化したものです。
カルナック神殿の中心であるアメン大神殿とアメン神の妻ムート神を祀るルクソール神殿は、幅76メートルの参道で繋がっており、両脇にびっしりとスフィンクス並んでいます。世界四大文明のひとつであるエジプト文明を育んだナイル川のかつての川幅は現在の7倍あったともいわれ、スフィンクス参道に沿って両脇を流れていたのだそうです。

豊穣の川ナイルの祭り

毎年決まった時期に水量が増すナイル川は、下流に肥沃な土を運んで豊作をもたらす自然の恵みの象徴でした。当時は道路よりも水路を整備することが一般的だったようです。エジプト人は古くから水路や堤防建築などを通して高い治水技術を持ち、ピラミッドや神殿のような高度な建築が可能になったとの説もあります。
ルクソール遺跡に使用されている石材は、160キロ離れた地から水路で輸送されたことが分かっています。アメン神とムート神の結婚式を再現したという「オペト祭」は、カルナック神殿から運ばれたアメン神像がルクソール神殿にしばらく安置されました。2週間ものあいだ歌や踊りが催され、庶民にもごちそうが振る舞われたのだそうです。

第30王朝「ネクタネボ1世」

スフィンクス参道に鎮座するスフィンクスは獅子の胴体とファラオの顔を持つものと、アメン神の化身である羊の頭を持つものがあります。羊の顎の下に立つ小さなファラオ象は紀元前380年に新王朝を創始した第30代ネクタネボ1世で、スフィンクス参道はこのファラオによって完成されたといわれます。
ネクタボ1世は18年にもおよぶ平和な治世でハトシェプストと同じように数多くの神殿や記念碑を建設し、荒廃した神殿を復興させました。2010年のニュースによれば、エジプト考古最高評議会は約10億円の予算を計上してこれらの遺跡を修復し、ルクソール全体を屋外博物館とするプロジェクトを立ち上げることを発表しています。

聖書の都テーベに思いを馳せる

旧約聖書(エレミア記46章25節)にも“アメン神の都市”としてその名が刻まれている古代エジプトの都・テーベ。ナイルの流れと共にあったふたつの神殿をつないだスフィンクス参道をご紹介しました。参道はまだまだ発掘途中のようですが、これからの発見も楽しみです。

基本情報

所在地:Corniche El Nil St. Luxor, Luxor, Egypt
営業時間:6:00~22:00
料金:一般 50EGP 学生 25 EGP
アクセス:鉄道 ルクソール駅から1km

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