鍛冶屋、醤油屋、提灯屋、桶屋など今では伝統産業と呼ばれるものも、昔は家庭で使用する日用品を製造・販売する場所でもありました。伝統品としてではなく、日用品を作り続けることで受け継がれたものづくり。そんな昔ながらのものづくりの姿を求めて、今回は、湖南市の紺屋・紺喜染織を訪ねる旅へ。
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JR三雲駅から車で約15分のところに、約200年の歴史を持つ紺屋・紺喜染織があります。紺屋とは藍染を行うお店で、植物の藍を原料に、木綿や絹、麻などを染めています。紺喜染織で作っているのは近江木綿正藍染(おうみもめんしょうあいぞめ)。染める色にこだわり、原料の藍の栽培から行っています。
今では数少ない正藍染を続けている紺屋と出会う。
店内を奥へと進むと藍染の工房があります。工房内にはいくつもの藍がめがあり、その中の液は濃さが違います。薄い液から濃い液へ繰り返し染めていくことで、理想の色に染めていくことができます。藍染は液に漬けた後、空気に触れることで色が変わります。藍色に変わる瞬間の美しさには、思わず目をみはります。
江戸時代に初代が京都より伝えた技を受け継ぐのが四代目植西恒夫さん。昔と変わらぬ製造方法で近江木綿正藍染を作り続け、今では手に入れづらくなった製造に関わる道具も自分で作り、使っているのだそう。足を運んだ際には、この道約60年という植西さんのものづくりにかけるお話も聞いてみては?
滋賀のデザイナーや服飾関係の方も染めに来る紺喜染織では、藍染体験を行うことができます。藍がめに入れる度に、美しく染まっていく姿を、ぜひその目で確かめてください。