バッファローバイユー（Buffalo Bayou）は、アメリカ合衆国テキサス州の南東部に位置するハリス地区にあるバイユー（小さな川）です。テキサス州最大の都市ヒューストン・ケイティ市を源流とし、ダウンタウンにあるヒューストン港へと注ぐ全長85kmの流れにはいくつかの支流がありますが、その多くが市域を流れるヒューストンは“バイユー・シティ”の別名でも呼ばれています。

低地をゆっくりと流れる川を意味するという“バイユー（Bayou）”はあまり聞き慣れない言葉ですが、もともとは先住民族の言葉“細い小川（bayuk）”に由来するもので、ルイジアナ州がアメリカ領となるより以前にこの地を植民地とし有していたフランスの時代からそう呼ばれていたのだそうです。2002年頃から水質浄化や公園整備も進み、市民の憩いの場となっています。

テキサス革命（Texas Revolution）は、1835年10月2日から翌4月21日にかけてメキシコ合衆国（現在のメキシコ）とテキサス人反乱軍（現在のテキサス州）との間で戦われた独立戦争です。バッファロー・バイユーの流れがサンジャシント川に合流する地点は、この戦争の勝敗を決定づけることになった「サンジャシントの戦い」の古戦場で、テキサスはテキサス共和国として独立しました。

テキサス州は1803年にアメリカ領となったルイジアナ州と、メキシコの中間に位置します。1821年にスペインから独立したメキシコが、テキサス開拓のためにアメリカからの移住を許可したことからアメリカ人入植者者は増え続け、メキシコ政府との間で摩擦が生じるようになりました。メキシコ政府が宗教の自由や奴隷制を認めなかったことも不満の要因だったようです。

ヒューストンという地名は、この地がテキサス共和国だったころの大統領で、サンジャシントの戦いで先頭に立ったサミュエル・ヒューストン将軍の名前にちなんでつけられました。アメリカ国内で唯一都市計画法の制約を受けていないため、多様性に富んだ観光地として知られています。そんなヒューストンの中心部を流れるバッファローバイユーの沿岸には、全長200mにおよぶ遊歩道が整備された9ヘクタールの都市公園が広がっています。

ウォーキングやサイクリング、ジョギング専用のレーンからなる「サビーネ・トゥ・バグビー・ウォーターフロントパーク」ではレンタサイクルでサイクリングを楽しんだり、水辺ではカヤックやカヌーで遊ぶこともできます。地元アーティストが自発的に作品展示を始めたという敷地内には地元アーティストのジョン・ラネルズなどによる20点以上のアート作品が散りばめられ、豊かな緑の公園にアクセントを添えています。

所在地：18-3600 Allen Parkway and Memorial Drive, Houston, TX
TEL：+1 713-752-0314
営業時間：施設により異なります

ヒューストンのダウンタウンから約40km南東に位置する400ヘクタールの公園「サンジャシント・バトルグラウンド州立史跡（Jacinto Battleground State Historic Site）」は、高さ174ｍを誇る世界一の記念碑「サン・ハシント記念碑」が目印です。テキサス戦争の戦死者を慰霊する記念碑は、サン ジャシントの戦いの100年後にあたる1936年に建てられたもので、独立戦争の歴史を記録した碑文が刻まれています。

塔の麓は「サンジャント博物館（San Jacinto Museum of History）」になっており、頂上にはテキサス州の象徴である高さ10mの“一つ星（ローンスター）”が鎮座しています。そして、上部152ｍの位置には、バッファローバイユーを一望する展望台です。第一次政界大戦で活躍した軍艦テキサスが博物館を兼ねた記念艦として停泊しているのが見えるでしょう。

所在地：3523 Independence Pkwy, La Porte, TX 77571 u.s.a.
TEL：+1 281-479-2431
営業時間：9:00~18:00
定休日：なし
アクセス：ダウンタウンから車で30分

ヒューストンを悠々と流れるバッファローバイユーにまつわる歴史と、ゆかりの深いスポットをご紹介しました。バッファローバイユーの水辺にはたくさんの文化施設があり、ヒューストン宇宙センターなどの人気スポットも30分圏内。充実した散策が楽しめそうですね。