水の都・蘇州の魅力をコンパクトに満喫するなら
上海から高速鉄道を使えば日帰りも可能。今回は、出張帰りに、ぶらりと立ち寄るのもオススメな、蘇州1日コースをご紹介します。
①モダンな港街風景が美しい「金鶏湖」
金鶏湖の北西岸、巨大な蘇州文化芸術中心の前に広がる区域で、欧米の港町を思わせるオシャレな店が軒を連ね、湖畔散策やティータイムにもぴったりの雰囲気です。ウッドデッキのオープンカフェで、湖に浮かぶ桃花島や対岸の風景を眺めながら過ごすのがオススメ。ちなみに夕暮れから夜にかけてライトアップされていく時間帯も素敵なんですよ。
「誠品書店」ビルには、服飾や雑貨、食品など様々なショップが入っていますが、特に立ち寄りたいのが「誠品生活蘇州」。モダンなテイストの生活雑貨に出会えます。
中国茶の専門店も。陶器の入れ物もオシャレで、お土産にしても喜ばれそう。
誠品書店に向かい合うモールは「円融時代広場」。天井が500mのLEDスカイスクリーンになっていて、夜には美しい映像も映し出されます。この「円融天幕」を目的に集まる人も多いのだとか。
②蘇州古典園林の穴場「耦園」
蘇州には名庭園が多く、拙政園、留園、獅子林、滄浪亭、網師園、耦園、芸園、退思園、環秀山荘という9つの庭がユネスコの世界遺産として登録されているほか、そのなかの2つ、拙政園と留園(写真)は中国四大名園にも数えられています。
今回は、いつも観光客でいっぱいの拙政園、留園、獅子林、滄浪亭などはあえて避け、静かに鑑賞できる穴場庭園の「耦園」に。蘇州の古典庭園は、敷地内に楼閣や築山、池、回廊などを配し、障景、借景、換景などの技法を用いて、巧みに景色を変化させているのが特徴ですが、園内の東園と西園という2つの庭園により、その世界観をしっかりと味わえます。
回廊には一つひとつデザインの異なる花窓があり、それぞれの花窓から見る庭園も景色が違って見えて楽しい。
③運河にかかる石橋を訪ねながらの散策が楽しい「平江路」
南北約1.5キロの小道沿いには茶館や蘇州点心の店、カフェ、ショップが立ち並び、そぞろ歩きが楽しい。点心を売る行列店もあるので、食べ歩きしながら散策するのもいいものです。中には、こんな客寄せも!
平江路に交差する路地も趣きがあります。
④蘇州随一の繁華街、老舗グルメが並ぶ「観前街」
続けて向かうのは蘇州随一の繁華街「観前街」。運河にぐるりと囲まれた古城内の中心、玄妙観という道教寺院の前に伸びる通りで、蘇州シルクや茶葉店など創業100年を超す老舗が点在しています。周辺はグルメエリアとしても有名。観前街の南、太監弄には「徳月楼」や「松鶴楼」などの蘇州料理の名店が、その東側には蘇州麺や饂飩(ワンタン)などの軽食を出す老舗が軒を連ねます。
ちなみに蘇州麺は麺とお好みの具材を別々に注文するのが特徴。具材は出されてから自分で麺の上にトッピングします。写真は蘇州名物のエビとタウナギ。小籠包も一緒にどうぞ。蘇州式の小籠包は上海のものに比べ大ぶりでモチモチした食感です。
観前街には「黄天源」(写真)、「采芝齋」など、蘇州の伝統菓子の老舗もあります。ちょっとしたおみやげ選びに立ち寄ってみるのもいいでしょう。
こちらは「黄天源」の名物「梅花餻」。
⑤壮大な城門と水門が並ぶ光景が圧巻の「盤門三景」
続けてのスポットは、ユネスコの世界遺産にも登録されている「盤門三景」。古城を取り囲む外城河に残る城門「盤門」と、運河にかかる「呉門橋」、敷地内に建つ「瑞光寺塔」とを合わせた景観を、こう総称します。
盤門の創建は、なんと紀元前514年。現存しているのは元代の1351に再建されたものです。運河と城壁とを組み合わせた造りがユニークで、陸の城門と水門が並んだ堅牢な門は必見。手漕ぎの舟で盤門の水門をくぐるミニ遊覧は往復10分ほどのアクティビティ。
こちらが、広大な庭園の中に建つ瑞光塔。