なぜ倒れない?イタリアの観光名所「ピサの斜塔」と奇跡の広場のヒミツ!

ピサの斜塔(Torre di Pisa)は、世界的に知られたイタリアの観光名所で、ユネスコの世界遺産にもなっている「ピサのドゥオモ広場」に建つ大聖堂の鐘楼です。大理石でできた美しいロマネスク様式の建築物は、高さ55.86メートル、直径約20メートルの円柱形で、着工から10年後の1185年に地盤沈下による傾きが認められました。現在も重心が基礎部分から南に5メートル逸れていますが、1990年から10年間の改修工事を経て、傾きを保ったまま沈下を止める措置がとられています。頂上からの絶景も楽しめる「ピサの斜塔」をご紹介します。

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このまとめ記事の目次

ピサの斜塔とは

イタリアを代表する観光名所として有名な「ピサの斜塔(Torre di Pisa)」は、ローマ時代末期まで帝国の海軍基地があった、イタリア北部のトスカーナ州ピサ市に所在するスポットです。隣接する「ピサ大聖堂(Piazza del Duomo)」の鐘楼として建てられた、大理石の塔で、ロマネスク様式の建築物です。また、アルノ川の河畔に位置するユネスコの世界文化遺産「ピサのドゥオモ広場」のランドマークタワーでもあります。
ピサのドゥオーモ広場は、青々とした芝生広場の上にピサの斜塔や白亜の大聖堂のほか、墓所回廊や洗礼堂など、美しいロマネスク時代の建築物が統一された景観を構成していることから「奇跡の広場(Campo dei Miracoli)」と呼ばれます。さらにピサの斜塔といえば、ピサ市出身の偉大な天文学者ガリレオ・ガリレイが、物体の落下実験を行った場所としても有名です。

最初から傾いていた?

ピサの斜塔は高さ55.86メートル、重量は14,453トンの円柱形をした塔で、塔の内部には296段の石段が最上階まで続いています。全体が南に大きく傾いているのは地盤沈下による現象で、もともとピサのドゥオーモ広場がアルノ川に運ばれた土砂で形成された、ゆるい地盤の土地だったことが原因です。隣接する大聖堂や洗礼堂も、同じく曲がって建っています。
絶妙な傾きが芸術的なピサの斜塔は、ピサの町が最盛期を迎えていた1173年8月9日に真っ直ぐな塔として着工され、199年という長い工期を経て1350年に完成しました。傾きが発覚したのは建設が3階部分まで進んだ1185年のことで、高さは地上10メートルに達していました。一旦は建設が中断されたものの、その後も中心軸をずらしながら積み上げるという大胆な手法で建設が続けられました。見る角度によって、くねくね曲がっているのが分かります。

起こせないから難しい

公式サイトの情報によれば、現在の塔の傾きは約5.5度で、頂上部は本来の位置から5メートルほど南に倒れています。建設中に傾きが改善されることはなかったため、ピサの斜塔は当初予定されていたより低い8層構造の鐘楼として完成し、最上階だけが地面に水平に建っています。1935年に行われた改修工事は、土地への地下水の侵入を防いで地盤を安定させるというものでしたが、結果としてますます沈下が進みました。
1960年代には地下水の減少でさらに沈下し、1990年には公開中止となりました。傾いた塔を垂直に直すのはそれほど難しくないそうですが、特有の斜度を維持したまま固定するのは大変で、2001年に完了した改修工事では900トンの鉛が投入されました。傾きとは反対側の地盤を下げることで、全体の斜度を保っているそうです。

展望台からの絶景

10年の改修工事を終えてふたたび公開されている現在のピサの斜塔は、一日の入場者数に制限はあるものの、頂上まで上ってピサ市の展望を楽しむことができます。特に下に傾く南側は、フェンスがあってもスリル満点です。鐘楼には合計7つの鐘が備わっており、そのうち1655年に設置された最大のものは重さ3トンを超えます。塔を刺激しないための配慮として、毎日定時の鐘の音はスピーカーから流しているそうです。
大理石の硬度はひとの爪より少し硬い程度なので、長い年月の間には階段もかなりすり減っています。そこで石段を再利用しようと階段の天地を入れ替えたところ、裏側も同じように擦り減っていたそうです。数百年前にも同じことを考えた職人がいたんですね。ところで、地動説を唱えたガリレオが異端裁判にかけられた話は有名ですが、ローマ教皇ヨハネ・パウロ2世は、ガリレオの死から350年後の1992年に、異端裁判の誤りを謝罪しています。

いかがでしたか

結局、みんな傾いていたというイタリア屈指の観光名所「ピサの斜塔」をご紹介しました。専門家の話によれば、倒れそうで倒れないピサの斜塔はあと300年は倒れない計算なのだそうです。ピサ観光の際は、頂上からの眺めを楽しんでみてはいかがでしょうか。

基本情報

所在地:Piazza del Duomo, 56126 Pisa PI
TEL:+39 050 835011
営業時間:10:00~18:00
料金:18,00 €
定休日:アクセス:

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