まるでアトラクション!立山黒部アルペンルートの乗り物7選

立山黒部アルペンルートは標高3,000m級の峰々が連なる北アルプスを貫く世界有数の山岳観光ルートです。 富山県側の立山町「立山駅」から長野県側の大町市「扇沢駅」まで乗り物を乗り継ぎ、いくつもの景勝地を通って気軽に、雲上に広がる立山黒部の雄大な大自然を満喫することができます。 アルペンルート内は一般車両の通行ができません。様々な特長のある6つの乗り物を乗り継ぎます。 今回は、立山黒部アルペンルートの7つの乗り物をご紹介します。

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このまとめ記事の目次

乗り物も魅力的です!

乗り物はただの移動手段…そう思ってはいませんか?
乗り換えなんて疲れるだけ…そう感じてはいませんか?

立山黒部アルペンルートでは乗り物も見どころの一つです。
普段乗ることのできない珍しい乗り物を乗り継いでいき、そこから見る景色も絶景なのです。

高所ならではの工夫がされたユニークな乗り物達の特徴と歴史を一挙紹介します!

①立山ケーブルカー

「立山駅」と「美女平駅」を結ぶ、荷台が付いている珍しいケーブルカーです。
立山駅と美女平間1.3km、標高差およそ500mを7分かけて一気にのぼり、低山帯の森林から山地帯の森林への変化がダイナミックに車窓に展開します。
途中、岩が柱のようになっている材木石(柱状節理)が見られる箇所があります。

運行を開始したのは昭和29年8月13日。

かつて黒部ダム建設用の資材を積んでいたことから、荷台が付いています。
今でも、大きい荷物はここに積むことができ、登山をされる方や雪山スキーに訪れた方たちの荷物を運んでいます。

車体のイラストが可愛らしいです。
平均勾配24度の坂を2台のケーブルカーがつるべ式で上り下りする仕組みになっています。

「つるべ式」というのはワイヤーロープの両端に車両をつなぎ、山上の側の駅にある巻上機械により、車両を上げ下げさせる仕組みの事です。

ワイヤーロープを巻き上げるだけなので、ケーブルカー自体は自分の力で走りません。

②立山高原バス

「美女平駅」と「室堂駅」を結ぶ、自然にやさしい立山高原バスです。
亜高山帯から高山帯へ、約1,500mの標高差の大自然の変化を楽しむことができます。全員着席制なので、快適に車窓の風景を楽しむことができます。車内に設置されたモニターからは、見どころの解説ビデオが流れます。ハイブリッドバスや最新のクリーンディーゼルバスで、排気ガス中のNOx、COや黒煙の排出を抑えています。
美女平駅~室堂駅が全線開業したのは昭和39年6月20日。

高原バスの車両は、立山ケーブルカーによって運び入れられました。
バス道路を進む開通当時は春先の幅員もせまく、カーブで曲がりきれず、人力で除雪して進んでいました。
途中で姿を見せる「滝見台」から見える「称名滝」は見どころポイント!

室堂行きの際は左側座席、美女平行きの際は右側座席に座ると見やすいのでおすすめです!
下車はできませんが、対向車がいないときは滝見台付近でゆっくりと進み、一時停止をしてくれるので、なるべく前の席に座るとじっくりと滝を眺められます。

時期が良く条件が合えば「ハンノキ滝」も一緒に見られるかも。

左「称名滝」 右「ハンノキ滝」

③立山トンネルトロリーバス

立山・関電トロリーバスは、日本で唯一のトンネルトロリーバスなのです!

日本では立山黒部アルペンルートの2路線のみの運行になります。

トロリーバスは、バスと呼ばれていますが正式名称は「無軌条電車」。
電力で走り、しかも一般道を走ることはなく、電車線のあるところしか走らないことから、法律上も電車に分類されています。
「室堂駅」から「大観峰駅」を結びます。
立山の主峰、雄山(3003m)の直下を貫通している立山トンネルを走るトロリーバス。

最大の特徴は、石油燃料ではなく、電車線から電力の供給を受けて走る点です。

電気で走ることで、トンネル内に排気ガスが滞留することを防ぎ、自然環境保全にも役だっています。トンネル中央の雄山山頂直下付近で、上下線のバスがすれ違います。
運転するには、バスと同じ「大型二種免許」と「動力車操縦者運転免許証(無軌条電車運転免許)」が必要になります。

④立山ロープウェイ

「大観峰」と「黒部平」を結ぶ、ワンスパン式の立山ロープウェイです。
景観と環境保全の観点から大観峰と黒部平の間に一本も支柱がなく、「動く展望台」として
360度の大パノラマを楽しむことができます。
大きく取られた窓から、西には大斜面の大観峰、東には後立山連峰の絶景が広がります。

雪降る時期は一面白黒のまるで水墨画のような景色。
夏は緑が眩しい新緑の山々とエメラルドグリーンに輝く黒部湖に青空のコントラスト。
紅葉が彩る時期は一面に広がる「三段紅葉」など、
四季折々の景色が楽しめます。
出発から到着までの距離は約1.7km。
ワンスパンロープウェイの運行距離としては日本一を誇り、
約7分の空中トリップが楽しめます。

「ワンスパン式」とは中間に支柱が一本もないロープウェイのことです。
およそ1.7Kmの距離を、ワイヤーだけで結んでいるのです。そのため、ロープウェイを支えるワイヤーの太さも直径54mmと日本最大級!
現在(平成29年時点)は3代目で、昔はオレンジ色のボディでしたが、現在はブルーにオレンジのラインが入った、立山の自然が美しく見えるボディ。大きくなった窓からワイドな景色が楽しめます。

⑤黒部ケーブルカー

「黒部平駅」と「黒部湖駅」を結ぶ、日本で唯一の全線地下式ケーブルカー。

標高差約400m、最大勾配31度の急斜面を走るケーブルカーです。
自然保護と雪害防止から、日本で唯一の全線地下式ケーブルカーとなっています。立山ケーブルカーと同じ、つるべ式ケーブルカーで、トンネルの中間地点で2台のケーブルカーがすれ違うようになっています。
昭和44年、開業時の黒部ケーブルカー。以来一度も車輌を更新せず、開業当初の客車が現在でも使用されています。
立山ケーブルカーと同じく、ケーブルカー自体には動力が組み込まれていないので、運転は黒部平で行っています。車両には運転手は乗車しないけど、代わりに安全監視を行う車掌が乗車します。

⑥関電トンネルトロリーバス

「扇沢駅」と「黒部ダム駅」を結ぶ、日本唯一のトンネルトロリーバス。
映画『黒部の太陽』でも描かれたトンネルを通ります。
このトンネルは黒部ダム建設時に資材搬送用トンネルとして掘削されました。

途中、映画『黒部の太陽』でも描かれた黒部ダム最難工事である「破砕帯」があります。
破砕帯とは岩盤の中で岩が細かく割れて地下水をため込んだ軟弱な地層の事です。
4℃という冷たい地下水と土砂が毎秒660ℓも吹き出し、通常10日で抜ける距離が7ヶ月もかかりました。

殉職者慰霊碑

現在もトンネル内では、苦闘の末に突破した「大破砕帯」を示す標識が設置してあり、大破砕帯の区間は青い看板や青い照明で示されています。

側溝には今も破砕帯の水が流れています。
そのためトンネル内は、夏でも気温が10度前後。ゆえにトロリーバスにはもともとクーラーが付いていません。ダム駅からダム突堤までは、半袖では寒いくらいです。
現在(平成29年時点)の車両は3代目です。

関電トンネルトロリーバスは昭和39年(1964年)、東京―大阪間の新幹線が走り始めた年に運輸営業を開始しました。その間、車両にも改良や開発が行われ、初代の100型、200型と続き、現在運行しているのは平成5年から運行を開始した300型です。

クリーンな電気エネルギーだから長いトンネル内も排気ガスの影響を受けない、トンネルの急勾配にも強いのが特徴です。

⑦黒部湖遊覧船ガルベ

日本一高所にある遊覧船!黒部湖遊覧船ガルベ。

立山連峰と後立山連峰に挟まれた黒部大谷の雄大さを気軽に満喫することができる遊覧船です。平均標高1,448mの黒部湖を約30分かけて周遊する黒部湖遊覧船ガルベは、日本最高所で航行している遊覧船です。ガルベという名は、黒部の語源ともなったアイヌから由来します。
北アルプスに残雪が残る夏やエメラルドグリーンの湖に紅葉に染まった山肌が映える秋、
11月頃に訪れるひと足早い雪景色など、黒部ダムの美しい四季を満喫できます。

最後に。

立山黒部アルペンルートの乗り物には、環境を壊さない工夫や厳しい自然に対応するための工夫がたくさん施されています。

一つひとつの乗り物に歴史があり、先人たちの偉業や努力、自然の恩恵などがあったからこそ、雄大な大自然や目を奪われるほどの絶景を楽しむことが出来るのです。

そういった歴史や特色を知ってから乗るとまた一味違った楽しみが生まれます。
次のお休みにはぜひ、アルペンルートの乗り物を巡ってみてください。

最後までお読みいただきありがとうございます。

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