曙橋から徒歩5分程度。一本路地に入った住宅街にあるレストランなのですが、まずそのビルの奇抜なデザインに心躍ります。中の入ると入り口から温かな雰囲気で、目に入ったモダンな風景から癒されていくようです。グレーと優しい木の温もりがミックスされた内装で、とても居心地がいい。カウンターとテーブル席があり、用途に応じて使い分けができます。
こちらのオーナーシェフは榎本奈緒子氏。女性シェフです。都内にあるレストランにて約5年フランス料理を学び、本場リヨンの星付きレストラン[ニコラ・ル・ベック][レ・テラス・ド・リヨン]にて磨き上げた技術と共に2015年[Jour de Marché(ジュードゥマルシェ)]をオープンされました。途中イタリアンなども経験されており、そんな片鱗も少し垣間見られ、日本人が食べてもちょっとほっとするようなメニュー構成。しっかりソースも作り込み、また女性ならではの繊細で、甘さなどのアクセントも加えながら、キリリとした仕上がりになったりと丁寧に作っているのがわかります。
スペシャリテはフォアグラマカロン。ほうじ茶パウダーで作られたマカロンにフォアグラのクリームと木苺のジュレが挟まれた、リッチなフォアグラ料理です。ほうじ茶のほろ苦い感じがフォアグラとマッチし、木苺の酸味を加えることで余韻が印象的。美味しいからギフト用に販売したらいいのにと思っていたら、すでにテイクアウトとしても販売しているみたいです。これはいいです。
ランチ、ディナー共に2種類のコースがあるのですが私は今回12000円(もう一種は9500円)の高い方のディナーで訪問しました。コースの構成もしっかり考えられていて、優しい味わいを重ねた料理。ソースもしっかり作っています。甘さが所々に加わり、幅広い方々に受け入れられる料理だと思います。
お話していると榎本シェフは、さすがオーナーシェフを務めるだけあり芯はしっかりしていますが、とても控えめ。なるほど、この穏やかで優しい料理は、人柄を映し出しているな〜と思いました。
実はシェフに好きなレストランはどちらですか?という質問をしたところ、これまた私もその温かな料理と接客が素晴らしいレストランの名前が出てきました。
シェフのおしゃべりが楽しいレストランというのもありますが、こちらはどちらかというと、仲良しで訪れ自分たちの世界もしっかり見守っていてくれる感じ。
優しさ溢れる空間と、温もりあふれる料理が楽しめます。お値段も控えめでそのあたりも嬉しい。コースの2つの構成なので、その時の用途で選べ、贔屓にしたくなるレストランでした。