美しい上生菓子
日本の芸術性、美術感覚はインバウンドを語るまでもなく世界の人々から愛されているところですよね。
その美的感覚は、あまりにも身近な「和菓子」の世界にも如実に現れています。
と言うわけで、今回紹介するのは港南中央駅から鎌倉街道を南下し、吉原交差点の近くにある「うさぎや」さんです。
店内はガラスのショーケースを中心に、さまざまな商品がずらり。ガラスケースの上にはお弁当も飾られていました。
ドリンクも色々と揃っています。このお店で和菓子とお茶を買って、散策や街歩きのお供にするという利用もできて、実に便利ですよね。
横浜市のお菓子店でちょくちょく見かける「港の丘」もあります。これは、横浜市内の菓子職人さんたちが協力して作り上げた、横浜ならではのお菓子。
他の地域にはない横浜らしいネーミングと、しっとりとした乳菓なので硬いものが苦手な方にも食べやすいので、手土産としても上級編だと思います。
お支払いもいろいろなQRコード決済に対応されているもよう。
▼だんご(1本100円)
ショーケースの団子は、あくまでも見本です。注文するとその場で焼いてくださり、ホッカホカのお団子がいただけます。
きちんと作られている証拠に、賞味期限はなんと当日中。油断するとすぐに固くなるので、お早めにお召し上がりを!
今回は、みたらし2本とあんこ2本を購入しました。
みたらしだんごは、外側のカリッと感と内側のもっちり加減が素晴らしい相性。甘さと塩味、醤油のコクの効いた味わいで何本でも食べられそうな美味しさでした。
あんこは、もっちりした団子の食感が柔らかなこし餡で引き立てられていますね。素朴な甘さの団子と、しっかりした甘さのこし餡が好印象の逸品です。
▼上生菓子(1個240円)
続いては、美しい上生菓子を4種類購入させて頂きました。1個240円と均一料金で、どのお菓子を買おうか目移りしてしまうほど。
本当は全部買いたいけれど・・・とてもそうはいかないので、たくさんの種類の中から、気になった4種類をチョイスしました。
「小菊」→名前の通り、かわいい菊の花があしらわれた上生菓子。モチモチした食感の中に、青のりの香りがスッキリと香ります。
「姫菊」→精緻な造形に、技術を感じる逸品です。しっかりした食感の中に、優しい甘さと香りが広がる上品なお菓子。
「かぼちゃ男爵」→ねっとりとしていて、実に柔らかいかぼちゃ餡が特徴的。顔の目と口は羊羹で出来ていますが、普通の羊羹よりもツヤッとしている気がします。
「夕焼け」→懐かしき日の情景が、小さな上生菓子にギュッと詰め込まれた芸術品。優しい豆の甘さはもちろん美味しいのですが、このお菓子を眺めていると忘れかけていた懐かしき日の事を思い出すかのようです。
◆◇◆後記◆◇◆
このうさぎやさんは、昭和38年の創業だそうで、親子3代にわたって営業を続けられているそうです。60年もの長きにわたって、地域の方々に愛されてきた実績はたいへんなもの。
定番の和菓子だけではなく、四季折々の和菓や洋菓子も取り揃えているとのこと。
そして、すぐそばには、昔から変わることのない日野川の流れ。この日野川は関ノ下で笹下川と合流し、大岡川となって横浜の街を流れ、横浜港に流れて行きます。
きっと、何十年とこの「うさぎや」さんを眺め、見守ってきたことでしょう。
秋の夕暮れの中、そんな小川の歴史に思いを馳せつつ「うさぎや」さんのお団子などを食べるのも、また乙というものです。
昭和38年創業から、変わらぬ笑顔と味で愛されてきた老舗の味。その美味しさと魅力はとどまるところを知らず、今日も港南区の方々の心と舌を捉えて離さない、そんな魅力にあふれたお店だったのでした。
港南区日野の「和洋菓子 うさぎや」さん、ぜひお試しいただきたいお店です。
お試しを!