今は無き史上最高居酒屋の思い出話
【初訪&前書き】
初めて行ったのが、まだ工学院通りにあった5年前の2004年。その時の感動が忘れらずに、幾度となく通いました。で、工学院通りのお店が閉店になったときには、泣きました…その後、現在の場所に移転して、復活したときには、人生の中でもかなりの嬉しさでした。
1000件以上レビューを書いているけど、このお店だけは、書くまいと思っていた。
もうすべてが別格というか、別世界ですが、私の中のBEST居酒屋です。
けど、最近幟を立てたり、ネットで出てきたりしているので、そろそろ解禁にします。
【入門編】
物見遊山で訪問できるお店ではありません。自分がお客さんだと思う方は行かないほうがいいです。痛い目にあいます。
サービスの評点は「1」です。ですので、サービスを受けたい方や小奇麗な空間でないと落ち着かない方も行かないほうがいいです。不愉快になります。
サービスレベルは、「初めての人は、注文すらできない」程度です。運良く、注文できたとしても「注文した料理が出てくるかどうかもわからない。」あるいは「その注文が却下され、これを食べなさいと違うものを提供される」程度です。それでもニコニコして「参ったなぁ…」なんて言える方でないと楽しめません。
暗黙のルールとお作法に従って、マスターを思いやり、常連さんと時間を共有しながら、飲んで食うお店です。
【注文編】
初めての人は、注文できません。お作法があります。
まずは、自分の存在をアピールして、認知してもらう。
明るく、「こんばんわぁ~」とか、「お疲れさまぁ~」とか言えばいいのです。
これが、大人になるとなかなか難しい…笑
認知してもらっても、うかつに「XXXください。」と口頭で言うと、出てくるかどうかは、わかりません。
例えば、「ビールください。」は、無視されるか、常連さんが冷蔵庫から自分で取りなさいと教えてくれるか、どちらかの状況になります。
つまり、ビールと言っても誰も持ってきてくれないということです。
注文は、備え付けのメモ用紙に自分のオーダーを書いて、マスターに見せます。
黙って、うなずくこともあるし、反応しないこともあります。【優遇編】にありますが、マスターは、客を選びます…爆!
さらに、そのオーダーを見てかつ、マスターは時折、「XXXにしなさい。」と指示をします。
そのときには、素直に「じゃあ、XXXください。」というと確実にサーブされます…笑
【性善説編 その1】
究極の性善説で成り立つのが、このお店です。
とある日には、蛍烏賊があるじゃん。
マスター手づかみでどっさりよそってくれた。
食べてビックリした!なんと目玉と胴体の軟骨をとってあったのだ。
高級料亭とかでないとありえないよ。
最初からとっているものを仕入れているのか? それだったら、250円で出せないだろう。
恐るべし、マスター!
枝豆も旨いし、メイン料理に選んだ「まぐろの頬焼」もびっくりだ。でかいのだ。
野菜の代わりに「わらびのお浸し」
おいおい、こんなにワラビばっかり食えないよ。(食ったけど…)
すでにマスター寝てしまったので、追加注文不能。21時過ぎたし、もう看板だね。
で、ここのシステムは自己申告です。伝票を自分で書いて、お金を置いていく。今日は、1300円なんで、1500円置いていこう。
究極の性善説ワールド!
【お休み編】
夏休み・冬休み・春休みがあります。
いつ行ってもお店が空いているわけではありません。
営業時間も限定的です。
運良く営業していたら、マスターの健康に祝杯をあげましょう。
【居眠り編】
マスターは高齢でお疲れなのです。
日によりますが、早いときは20時で寝てしまいます。
居眠り中のマスターを起こして、オーダーをしてもよいのか?
まさに空気を読む感性が必要なお店です。
時には、起こしてもよいし、時にはそのままお金を置いて帰るという判断力が必要なお店です。
【再開編】
2006年1月に新装開店!小奇麗なお店になっていた。TVもプラズマだ。そして、椅子が入って、座り飲みになったよ。
しかし、メニューは、相変わらずだ。
そして、ジョッキ一杯の焼酎も不滅だ!
焼酎ジョッキ3杯飲み干し、ぐでんぐでん状態で祝杯をあげる。
白子煮(すごい量!)といいだこ唐揚をいただきつつ、マスターからの差入れで、黒豆とキス焼きもいただきました。
【鯛の子だろ!編】
鯛焼きを注文してから、グリルで焼いてくれていたのだが、鯛をひっくり返すときに、一悶着あったが、一応、焼きあがって、目の前に出てきたよ。
そうしたら、なんと、鯛の子付!
【おかしなメニュー編 その1】
夏の風物詩、枝豆も季節メニューとして登場します。
基本的にメニューはその季節を反映したものを仕入れてくれます。
マスターは、毎日黒い短冊にメニューを手書きしています。
そんな夏の日、とんでもないメニューを発見!
「枝豆 まずい 200」
と本当に短冊に書いているのです。
「マスター、枝豆ください。」
「まずいよ。」
「いいですよ。」
といって、出てきた枝豆は、確かに痩せていましたとさ…爆!
正直なのか、馬○正直なのか…
2,3日後に行くとメニューは、「枝豆 250」となり、まずいが抜けて、50円UPしていましたとさ…
本当にまずかったのね、爆!
【おかしなメニュー編 その2】
鯛の兜焼きというか「鯛頭焼き」とメニューには書いていた。兜でなく、もっと広い大きい範囲で「頭」なのだ。
まずは、普通で言うところの「カマ」が出てきた。
なんだ、カマ焼きを勘違いして、頭焼きと書いたのかぁ~、しょうがないな。
まあ、これはこれでうまいから、いいやぁ~なんて思っていたら、しばししてから、兜が出てきた!
さすがにびっくりしたよ。これが、頭!か!
参った、マスター!
【蒲田移住編】
お隣にお座りのの老夫婦と盛り上がる。どうやら近辺にアパート持っているようで、東京に住むならうちに来なさい、うちの親類ってことにしてあげるから、ということで「蒲田」在住、仮決定!?
しかも晩ご飯は、ここで食べたらいいからね、ということで食事場所も仮決定!?
お店を出たら、マスターが追っかけてきてくれて、握手。
おお、蒲田いいジャン!(←と言いながら、実際には新宿に住んだ裏切り者也!爆!)
【地獄のウーロン編】
秋葉原で飲んで飲んで飲んでしまって、横浜泊のため京浜東北線乗車。何の因果か、蒲田どまりの列車だったのだ。
蒲田で電車から降りると、もうオートウォーキング機能全開で立ち寄ってしまった。
しかもウーロンハイをおかわりしてしまって、その後の記憶無し…
お金払ったのかも覚えていないけど、それらしく減っているので払ったのだろう。
横浜方面行きの京浜東北に乗ったはずだが、意識が戻ったのが「御徒町!」
なんで?なんで?なんで?
秋葉原→蒲田→(横浜方面)→(大宮方面?)→御徒町???
時刻はすでに0時近いよ。あわてて、横浜方面行きに乗換。
なんとか、横浜にたどり着きましたが、さかり屋のウーロンハイを飲むと言うことは、こういうことです…涙
【場違い編】
とある日にお邪魔すると、なんと家族連れ3人のグループがいたよ。
リタイアしたご夫婦?と30代?の娘さんの3人だ。
たまたま、お母さん(まあ、私からしたら、母親って感じだな。)の隣に座るが、蒲田で飲むような雰囲気ではなく、とっても上品な感じだ。
たぶん、東急沿線お住まい…田園調布ってこんな感じの方々が住んでいるのかも?という想像をしてしまったよ。
そんなセレブチックなご家族と一緒につまみをシェアして、一緒に食べるバカオヤジ…
場違いとは、このことだなぁ~東京蒲田…奥深し!
【おつまみ編】
・鴨ロース 300円 いわゆる真空パックに入っている既製品を、トントントンと包丁で切ってサーブしてくれます。
これが300円?って、小売価格は、それ以上でしょう!・・・驚愕のメニューです!
・バイ貝煮/つぶ貝煮 貝を炊いたんは、お得意のようです。そのボリュームが何とも言えずにすごいです。
・まぐろとろろ 400円 なんで、生(らしい)まぐろととろろと一緒に丼に盛り付けて、サーブするの?原価計算していない一品です。
・鰻肝焼き 200円 これで、200円ってどういうことなの?って叫びたくなる一品!
・ゴーヤとタンの炒め物 250円 とても一人で食いきれない…ここでは、見知らぬ客同士が料理をシェアして食べるのが、普通です。
・カジキ刺し 300円 店に入った瞬間に「もう看板だよ。カジキかネギトロにしな。」と言われて(指示されて?)オーダー。ここでは、指示されたものをオーダーするのが、無難です。確実にサーブされますから…爆!
・いわしつみれ卵とじ 250円 看板だよ!って言ってる割には、なんやかんやで追加で注文OKだったりします…笑
・まぐろなかおち 400円 これだけ、まぐろを盛られると…食べるのが、大変よ!
・おでん盛り合わせ 250円 絶対にネタの数を数えて作っていない!遅くなると残り物を適当に盛るため、ちくわとこんにゃくとちくわ麩の煮ものになっていた…涙
→気の毒に思ったのか、常連さんがたらこを分けてくれたよ。
・生食用牡蠣軽くボイル 350円 私は、ポン酢で食べたのだが、実はオリーブオイルで食べるらしい。
このお店じゃ、オリーブオイルなんて全然似合わないぞぉ…笑
・里芋揚げ煮 里芋と厚揚げの煮物。マスターの煮物には、時として紙パックのだしが一緒に入って、サーブされます。
・はもかまぼこ : 板ごとドン!です。
・烏賊げそ酒蒸 200円 : ゲソどころか、本体までゴロゴロ入って、200円とは驚きです。
・コハダ刺し 250円:何尾入ってんだ。一体全体…
・鯖焼 250円:でかすぎ!半身じゃないよ。重なっているんだよ、一尾まるまんまだよ。
・上白子吸 400円:なんじゃこの白子の量は!
・上たこ刺し : たこぶつどころの話じゃないよ!超巨大たこぶつだ!
・しめ鯖:半身そのまんま
【飲み物編】
定番は、ウーロンハイ。「マスター!ウーロン!」と言えば、ジョッキに焼酎、コッヘルのような器には氷が入っていて、ジョッキの焼酎を一旦コッヘルに移すのだ。
それから氷とともに少しずつジョッキに移し変えて、ウーロンで割って飲む。
これがなんと400円!ジョッキ3杯から4杯のハイサワーやウーロンハイになるのだよ。
ウーロン茶はカウンターにあるものをお客さん同士でシェアしながら、いただきます。
変化球で、サワーもあります。
で、焼酎系を3杯飲むとマスターからやんわりとSTOPがかかります。
「そんなに飲んで、大丈夫?」
そう言われたら、おとなしく、お勘定をしましょう。
【復活編】
1年以上のご無沙汰と言うか…まったくもって、生きているのかどうかもわからなかったが、
いたぁぁぁぁぁぁぁぁ~~~~~~~~~~
マスター、生きていた!!!
嬉しい!嬉しい!!嬉しい!!!
それだけで十分です!って言いながら、いつものウーロンと、なかおち・蛍烏賊・姫さざえ・鯵酢と食いまくりましたとさ…爆!